拘置所に入れられたイトウは、数日前から冷たい空気に悩まされていた。
眠ろうとすると、ひんやりと冷たい女の手が、首筋を撫でるのだ。

そのせいで、イトウは6日間も一睡もできずにいた。
食事を出されても、喉を通らない。


「……ユキ……。もうやめてくれ……」