はっと、そのことに気付き、吹き出した汗が、背中に張り付く。 彼女の家は、きっと、 「ここよ」 夏草の茂る駐車場。 4丁目の火事で焼けたアパート。 「ありがとうございました。麦茶をどうぞ。どうぞあがってください……」