ニッツーはドルメックの傍に近寄って来ると、じっくり品定めするように見詰めてきた。
オレンジ色の潤んだ瞳がドルメックを見上げる。
紅くたっぷりとした唇が妖艶な笑みを浮かべた。


「…ふぅん、中々良い男ね…。
アタシの好み、よくわかってるじゃない、テイシン?」


「おぅ、当然だろ?
俺とおまえの仲なんだからよ!」


そう言いながら、何故か視線を反らすテイシン。

(…もしかして……?)


ドルメックが思案しているうちに、テイシンは遠ざかろうとしていた。


「そいつ、色んなモン抱えて煮詰まってるっぽいから癒してやれよ!
そんじゃ、な」


それだけ言うと、テイシンはサッサと帰って行った。
取り残されたドルメックとニッツー。


「…とりあえず、アナタの名前を聞いてもいいかしら?
アタシはニッツー。
見ての通り、娼婦でテイシンの友達」


ニッツーがドルメックの腕に摺り寄る。
腕を組んできた。
身体のラインがはっきり分かる程薄いドレス越しに、豊満で柔らかな胸の感触が伝わる。


「俺はドルメック。
テイシンが言ってた通り、ドラゴン討伐メンバーだ」

そう言って微笑んだ。
ニッツーはそれに応え、より一層妖艶な笑みを浮かべた。


「テイシンの紹介だし、アナタ好みだから、う〜んとサービスしてあげるわよ?」