『うあぁあぁ…まりぃい…いやだぁあぁ…あぁあ…』

顔を崩しボロボロと泣く上沢。

二人は仲がよく、一緒に居る姿を見ない日はなかった。

俺は、やりきれない思いでいっぱいだった。

中島も同じだったんだろう。

唇を噛み締めたまま柏倉を睨みつけている。

引き裂かれた学校指定の赤いチェックのスカートは、すっかり元の形を失っていた。

チェック柄が所々不自然に途切れている。

元々赤いせいで分かりにくいが、これは血が染み込んでしまったのだろう。

『お前…自分がなにしてんのか分かってんのか!?』

『私がいけない事でもした、と?』

イカレた殺人鬼は、俺の問いにあっさりと答えた。

『は?』

『ありとあらゆる箇所を調べ人体の謎に迫る…
こんなロマンチックな話はないじゃないか』

柏倉は手を大きく広げ、舌なめずりをした。

『…ってめぇ!!!』