≪ほら、早くこちらへおいで…≫


柏倉は、うわずった声で俺達を誘う。


『これじゃ…出られない…どうする?』


後ろのドアは、外から鍵をかけるタイプなので、内側からは開ける事が出来ない。


『パパッと行けば大丈夫じゃね?』


中島がそう言う。


が、


『バカやろ…ここ西棟の真ん中らへんだろ?階段にたどり着く前に溶けるぞ…』


俺の言葉に、中島は唾を飲み込んだ。

上沢が隣りでカタカタ震えている。



すると



ガチャ…ッ


『!!!』


突然ドアが開く音がした。

皆視線が準備室に固まった。


【…ウソだろ…来る!?】


自然と息遣いが荒くなる。

ドクン…ドクン…

鼓動は、激しく波を打っている。




そして






ギイィィィ…