ダンッ!!!



『………っ』


中島は俺の胸ぐらを掴み、体を壁に叩きつけた。

彼の目は、さっきとは変わり鋭くなっていた。


『何考えてんだよ…』


『…っでも…』


『お前がここで下手に飛び出して殺られたりしたら…俺ら一体どうすりゃいいんだよ!?』


『……』


中島の言葉に、俺は黙り込んだ。

上沢も続く。


『…そうだよ慶ちゃん…みんなと生きて合流すんでしょ!?』


俺は彼女の頬の傷に目をやった。


『……』


二人の押しに負け、俺は気持ちをぐっと押し殺した。


『……わかったよ、ごめん』


『行こう』


中島は手を離し、俺のシャツを正した。

上沢はホッとした表情で立ち上がる。

そして俺らは前のドアへと歩き出した。



が、その時




≪そんな所で相談してないで…こっちへ来たらどうだ?≫