「ありがとう。お、及川さん」
「真綾でいいよ。私も真哉くんって呼ばせてもらってるし」
「ま、真綾はいくつなの?女性に年齢聞くなんて失礼なんだけど……」
「ううん。気にしないで。19だよ。真哉くんは?」
「俺も19。同い年だったんだ。大人っぽいからてっきり年上かと思ってた」
「あはは。なんかよく言われるんだ。落ち着いてるねとか大人っぽいねって。自分ではどこがだろうって感じなんだけどね」
笑いながら目の前の川をながめている彼女を見ていると、なぜかよく分からないけれど、とても儚く見えて仕方がなかった。
「そ、そろそろ帰ろっか?」
「そうだね」
さっと立った時に揺れたセミロングの少しくせのある髪がとても彼女に似合っていてちょっとの間見惚れていた。
