「……あ。」

カワイイという訳でもない。だといってブサイクだとかそういう訳じゃない。
でも…ただ1つ言えたのは――。


「きれいだ。」


僕の口をついて出た言葉はそんな言葉だった…。


「…え。」


透き通る声の次に彼女はきれいな瞳をしていた。
吸いこまれそうな―――。


ふと我に返ると僕はなんてことを言ってしまったんだという自己嫌悪におちいった。

「あ、えと。そ、その…すいません」

彼女も驚いたのだろう、目を大きくしていた―。


「いえ、あの私も突然声かけちゃったから…」

「そ、そんなこと…ないです。えっと…」

「私ね。あそこのアパートに住んでるの」

そう言って君はいつも僕が住んでいる3階建ておアパートを指さした

「私の部屋からだとすぐここが見えるんだよね。」

「俺も、そこのアパートなんですよ。203号室。」

見られてたのかとと思いつつ苦笑いで返事をした。