「それ、結構高かったんですよ〜。でもマブダチだし、キューピットだし奮発しました!」



奮発すんなよ…これをどうしろと?



「何かこのマーライオン、口元先輩に似てるし。」



「あ〜本当だ〜。」



口にチョコ付けて相づち打ってるんじゃねぇメガネ君。



「気に入りました?」



「いいな〜拓哉先輩。」



いいな〜メガネ君、な気分だよ。チョコがいいよ〜。……いや待て、ここで怒れば拓海の思うツボだ…。



「…ありがとう拓海!欲しかったんだ〜マーライオンの木彫り。いや〜いいマーライオンだ!」



「でしょ!?知美と一緒に選んだんですよ〜。」



おまえらどうかしてるよ…。



食堂を後にする社員達が、テーブルの上に置かれた不釣り合いな木彫りを見ながら去っていく。