「見せてくれるの?」

「見せてあげてもいいわよ。」

「じゃあ、見せてよ。」

「いいわよ………ハッ!!」

「普通のサーブだね。」

パコーン

「フッ……桜の舞……」

「ボールが5つ!?」

ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ

「ラ、0ー30!」

「い、今、ボールが5つに見えたよな?」

「あ、ああ。そ、それに音も5つだった。なのにコートに落ちてるボールは1つ……何なんだ…」

ーあれは、〈桜の舞〉。ボールが桜のように5つにみえ、全部のボールが本物に見える。5つ全部に影があって、どれを打っていいかわからなくなるー

「あれは〈桜の舞〉っス。ボールが桜のように5つにみえて、全部のボールが本物に見えるんス。5つ全部に影があるからどれを打ったらいいのかわからなくなるんスよ。」