「フック…ヒック…」

ピーンポーン

「…グズ……は、は~い!」

優は涙を服の袖で拭き、玄関に向かった。

「どなたですか?…って、赤也!」

そこにいたのは赤也だった。

「どうしたの?忘れものでもした?」

「……優、さっきまで泣いてたろ。」

「な、泣いてなんかないよ。」

優がそう言うと赤也は優の目尻に溜まっていた涙を指ですくった。

「これ涙だろ?」

「うっ………あっ!で、何しにきたの?」

「話逸らすなよ。まあ、いいけど…」

「いいんだ…」

「うっせぇ!!俺今日からここに住むから。」

「うん。わかった………って、はぁ!?」

「よし!!わかったっていったな!!じゃ、よろしく!」

「えっ!?ちょっ…待ってよ!いきなりなんなの?」

「……優を一人にさせたくないんだよ…安心させたいんだよ…」

「……お母さん達には言ってきたの?」

「あぁ、OKでた。てか母さんから提案してきたしな。」

「……赤也はいいの?」

「おう!どうせ家隣だし。そんな変わんねぇだろ。」

「……ありがとう」

ギュッ

優が赤也に抱き着いた。

「うおぅ!?どうしたんだよ。」

「なんでもないよ。よろしくね!」

少女の家に新たな住人ができた…