優が赤也の元に帰ってきた次の日、二人は赤也の部屋にいた。

「なぁ、優」

「何?」

「世界ランク1位になるまでにスランプとかなかったのか?」

「スランプ?あったよ。いじめとかあって、精神的にも辛かったときがあったしね」

「……話してくれ」

「覚悟は?」

「ある!!優の全部を受け止めるってこのまえ決めたしな!」

「ふふっ、わかったよ。……それは5年前のことーー」

~5年前~

この頃の優は普通の子達とあまり変わりなかった。

ただ1つ違うのは……

「優ちゃん♪今日も外で遊ばないの?」

「うん……外で遊べないから」

「そっか~じゃあ、また一緒におしゃべりしよ?」

「うん♪」

外で遊べないこと体が弱いとかではなく、外で遊んだことがないのだ。

小さい時から両親に嫌われていて、外に出ることも許されず、ずっと家の中で勉強ばっかやらされていたから、外での遊び方がわからなかった。

ある日、家に帰ると5歳の弟・翔がリビングであるアニメを見ていた。

「何見てるの?」