「優、そろそろ学校行かねぇと遅刻……は!?」

2階から降りてきた優の格好は制服ではなく、私服だった。

「サボろ!」

「はぁ?何言ってんだよ。」

「………お願い……」

「………ハァ~今日だけだからな。」

「うん!」

悲しそうな顔をする優を見て、赤也はサボることにした。

家を出たあと、二人は近くの公園に入り、ベンチに座った。

「……私ね、赤也に会えてすごくよかった。」

「いきなりどうしたんだよ。」

「……いいから聞いて……でね、私赤也に会って色んなこと学んだんだ。人を信じることもできた。だから……赤也ありがとう」

そして、優は鞄からあるものを取り出し、赤也に渡した。

「オトメギキョウの押し花?」

「うん。ありがとうを込めて作ったんだ。」

「だから、いきなりどうしたんだよ。」

「これで……最後だから……」

「……は?もしかして……」

「わ、私………!!」

優の体が光で包まれ始めた。

「優!!」

「赤也!!大好きだよ!!」

ピカッ

そして優は光とともに消えた。

少女と少年は離れ離れに……