「良かったな、美奈子」 「あ、うん」 皆の前で呼び捨てされて恥ずかしい。かすれた声だったけど、たぶん皆に聞こえてる。 「さっさと席につけ。出席とるぞー。」 「ほーい。」 こんなふざけてる裕希も好き。 「美奈子!いつの間に名前で呼ばれてんの。よかったじゃん!」 ちーさな声で隣の席のまゆが私に言った。 「さっき!」 声は出さずに口だけ動かした。