狼と赤ずきん。





「へぇ~、こんな時間でも勉強?


がり勉気取りかよ。」




荒月がヒョコッと顔を出してきた。



ヒョコッではなく、

ギロッっていう効果音が似合うかな?



私は驚いたが、教科書をバタンッと閉めた。



私の出来る小さな抵抗・・・。


でも、荒月の攻撃はまだ続いた。



「そんなんで、頭よく見えると思ってんのか?


気色わりぃんだよ。」



荒月が冷たい目で笑った。




背筋が凍った。



怖い・・・。



私は顔を伏せた。