狼と赤ずきん。





風が少し吹いてきた頃、



桜の木がざわつき始めた。


そして、一枚の桜の花びらが


私の目の前に淑やかに落ちてきた。





そこへ、ボールがのしかかってきたので、


慌ててボールを拾い上げ、地面を確認した。



良かったぁ。





花びらは汚くなっていない。



桜の花びらは、



そのまま遠くへ仲間たちと共に飛ばされていった。



私は、ほっとした。









・・・・・え!?―。







ボール取っちゃったよ!?




どうしよう・・・。



投げられないよ!



ここまで生き残るのも必死だったのに。




無理だよ、投げられないよ。