「おい!もっと、力抜け! じゃねぇと、ボールに当たって泣くぞ?」 私はムスッとした。 何よ、その言い方。 むかつくなぁ~! でも、一理当たっている。 もっと、力を抜いたほうがいいよね? 私は心を落ち着かせるため深呼吸をした。 「今度は防いでやんねぇから。 当たって泣くんだったら勝手に泣いてろ。」 荒月は攻撃態勢に戻った。 「べぇーだ!泣かないもんね。 絶対に逃げてみせる!」 私は荒月の背中に小声で言い、 自分にも言い聞かせた。