「やるよ…。」 荒月はぼそりと言う。 「やってやるよ、なんでも。」 そのときだけ荒月が狼じゃなくて小さな子犬に見えた。 本当の子犬だったら頭を撫でてあげたいぐらい。 「そうか、ならいい。」 担任も許してくれた。 よかったじゃん、荒月。 でも、荒月は不機嫌な顔のままだった。