いろいろ知ってしまった。 狼の過去。 それは私が想像しなかった過酷なものだった。 私は手のひらに持つ指輪を見る。この指輪の持ち主が死んでいるなんて…。 私、なんだか悪いことしちゃった気分。 軽率だった。 「白杉さん、なんか今日、テンション低くない?」 西塔さんが私のことをじっと見た。 私はさりげなく指輪をポケットの中にしまう。 私のテンションなんて変わらないと思うけど。