狼と赤ずきん。





「嫌じゃなかったの?」


流本が困った顔で私を見る。



「嫌だったよ!!」



私は大声で言った。



狼はまた冷たく笑う。


何がおかしいのよ!?



「ほらー、白杉が嫌がってんじゃん。


だからダメ。ちゃんと白杉に謝って。」



流本が言う。



でも、狼は謝る気なんてさらさらなかった。


狼だからね。



「そーですか。」



狼はふんっと鼻で笑った。