「荒月。」 狼は私から手を離し、後ろを振り向いた。 「白杉に手を出すなよ。」 たっ助かったぁ~。 助けてくれたのは狩人、 つまり流本だった。 「あ?なんだよ、今日は客が多いな。」 狼は舌打ちをしてまたどこかへ行ってしまった。 (たぶんお茶を持ってくるのだろう…。) 私は脱力する。