「そーいえば、柚のコイバナって聞いたことないなぁ」



にやり、と笑った京子。



「ないよぉ。そんなの」


「嘘!絶対あるでしょ!!この~~!!!」



ほっぺたをぎゅーっとつねられる。
あんまり痛くない。指先から京子の優しさが感じられる。


本当に私には恋愛なんて、まだない。


恋愛がしたくないわけじゃないよ。
でも焦っていい加減な気持ちになりたくない。


中学の時は焦った恋愛ばかりしていた。


もっとじっくり、自分の好きな人を探したいんだ。




「柚、行こ~」


「あ、うん待って!今行くー」




そう、思ってた。