「はぁー、前話せたのは嘘だったのかなぁ」



帰り道に一人で呟いてしまう。


いつもは京子と一緒に帰るんだけど
今日は京子が顧問の先生に呼ばれているらしいので、一人。


いつもみたいにバカな話をしながら帰ったら、ちょっとでも気が紛れてたかもしれない。


出てくるのは溜息ばっかり。



五十嵐先輩は私のことなんかもう忘れちゃったのかもしれない。
弓道部はただでさえ人数が多いし
五十嵐先輩に夢中な2年生の先輩には美人が多い。

私なんてごく普通のどこにでもいるような高校1年生。





そんな私と先輩がもう1回話せる日は





「いつになるのかなー」




えいっと自分の足元にある小石を蹴ってみた。