「じゃあ練習に取り掛かってくれ~」


広瀬先輩が言ったとたんに、みんなの動きが変わる。


男子達は早速、五十嵐先輩の周りにまとわりついた。


いいなぁ。
ああいう大胆な事も、同性だったらできちゃうんだよなぁ。


でも、同性だったら先輩に“恋”できない。


そう思ったらまだ我慢できるよ。



「ゆーずっ!!よかったじゃん!!!」



男子達を眺めていたのに京子がいきなり後ろから突撃してきた。



「わぁ!もう痛いなぁ」


「まさかこんな展開になるとはねっ!!もう、ほんとに頑張ってね!!」



握り合った手をぶんぶん振り回す京子の笑顔が眩しい。