私は、化け物を知った。

何の変哲もない、化け物。


世界に何かを及ぼす訳でもなく、世界が恐れる訳でもない。

ただの化け物。それだけなはずだ。


はず、だった。

しかし、化け物に変わりはない。

身体から沸き立つ、避けようのない恐怖。畏怖。

呼吸すら危うくなる動悸。
目を疑いたくなる状況。


そして業火の如く巻き上がる―――


・・・
探求心


踊らされ、ぞんざいに扱われ、挫折させられ、叩き潰される。


その存在に、私は狂った。


その存在……


「運命」という、化け物。