ゴーストオブアイデンティティー

座敷家の者は運命を人形としての価値しか見い出さなかった。


それは…座敷家のサガを逃れたという点では、幸せ以上の何物でもない。が、一人の、独りの人としてはこの上無く…最悪だ。

生ける屍。

植物人間よりも最悪なサガを、彼女は持っているのだ。

そのサガは一生育つことも、変わることも、抗うことも許されない、苦痛だ。


何も無い。亡いでなく、無い。失うモノが何も無い。


なんて悲しい…否、虚しい…


苦しい…


この華奢な体には、あまりにも重すぎる…重荷。

桜は思う。