ゴーストオブアイデンティティー

私は酔いを醒まし、その言葉を吟味した。


心無き者…………か。


面白い、と思った。

あまり考える事はなかった。

心無き者。



「昔、こんな実験が有ったのを知っているかい?一人の赤ん坊…否、まだ心が在るかは分からないから、「一匹」としておこうか。その赤ん坊を、部屋に一匹にし、世界から完全に孤立、というより、部屋を一個の世界にした。人間が関わるのは食事や排泄のみで、あとはずっと、世界に一匹。この赤ん坊、どうなったと思う?」


「心………無き者に…」

「違うね」

私は即答で和樹を否定した。










「死んだのさ」