幸福は商店街の入口、景色が一変する場に立ち止まった。


「過疎」から「凄惨」へ。
未だに焦げ付いた異臭が鼻をつく錯覚を起こす。


全ては虚像。
全ては偽善。
全ては己が為に。


ここから先は、街灯すらない暗闇だ。そして幸福自身の闇の入口。


「闇の入口…か………ふん」


自分で吐いた言葉を、まるで見下す様に鼻で笑い、幸福は闇に紛れるように消えていった。





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