運命が居た。


出ようとする運命を、桐は立ち止まらせた。


「運命、私の目を見て」

無言で、桐の目を見据える運命。急かす圧力にも感じたが、桐は無視した。


「此れから貴方にしてほしい事が1つ、あるの」

「何?」


「私を、信用して。裏切らないで」

「シンヨウって、ウラギルって何?」


「私と共に歩む事」

外を見る。もうすぐ夜明けだ。出るには、丁度良い。

「助け合う事。此の先一歩出れば、世界が待ってる。その世界は全く私達の思い通りにはならない。だから、私達は助け合う必要があるの。助け合わなければならないの。だから―――信用して。裏切らないで」