それでも龍ヶ峰さんはこっちに歩いてきた。 とうとう追い詰められる。 そして整った顔があたしの顔へと近づく。 『なっ………なんですかっ?』 どもりながらも声を振り絞る。 「………お前……名前は……?」 『く……工藤優花…………』 そう答えると龍ヶ峰さんはさっきまでの穏やかそうな笑顔からは考えられないほど意地悪で妖しくて、どこか艶っぽい笑みを浮かべた。 ※