今俺たちは優花がいると仮定されたところへと走っていた。
「つーか、お前もよく考えたよな、人がまわりに通らなくてなににも使われてない部屋にいる可能性が高いとか。」
「閃いたんだよ。
特定の人物をさがすときにはその人そのものを探すんじゃなくてあえて場所を探した方が早いんじゃないかって。」
そう答えると白山はひやかすように口笛を一つふき、さっすがと言った。
目星をつけた場所は計三個、そして今2つを回り終え、最後の一つに行こうとしているところだ。
優花は大丈夫だろうか、なにか危害を加えられてはないだろうか。
考えるだけでどうしようもないほど取り乱しそうになる。
「チッ……俺の所有物に勝手に手出してんじゃねぇよ………」
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