「やっとおきたの?」
冷たく、なんの感情もこもってないような疎の声に自然と肌が粟だつ。
攫われたのは二度目だが前回と格が違う。
これは……
……………………やばい。
あたしを殺してもかまわないと思ってる目だ。
「私ね………貴方がとても憎いの。」
コツコツと音をたてながら彼女はゆっくりと、ゆっくりとしかし確実に一歩ずつ距離をつめてくる。
「大して苦労してなさそうで、貧乏なのに……私の、私の龍ヶ峰様を簡単に奪った貴方が憎くて憎くて……
……今日はね……その罰を与えようと思って呼んだの。
ふふ………うふふふふ………あははは!!」
いきなり笑いだした彼女の声に否応なしに背筋が震える。
そのとき真っ暗だから何もないのかと思っていた所から一人の男が現れた。
にやにやとした半笑いを顔に張りつけたそいつはいきなり笑いだした彼女の肩に手を置き、口を開いた。
「激情にかられてそんな簡単に殺しちゃダメだよ、百合香。
勿体ぶって、いたぶって、嬲って、じっくり殺さなきゃ。
お前の怒りはそんな簡単じゃないんだろ?」
「えぇ!!!!!!!そうよ!!!!!!!
危ないトコだったわ。ありがとう、さすが私の執事だわ!!
ふふ…じっくり楽しみましょう、優花さん?」
………
……………………
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