ドアを開こうとドアノブに手をかけるといきなりそれは外側に開いてあたしを引っ張った。
転ぶっ……と思いぎゅっと目をつぶったあたしを堅い地面じゃなく暖かい物体が包み込んだ。
予想外のことがありすぎて思考が停止する。
「びびるっつーの。」
固まったあたしの上から投げられる言葉に思わずドキッと心臓がはねる。
『こ、こっちだってびっくりしたわよ!!』
そういってばっと離れてその声の主を確認する。
憎らしいほど整った顔ににやっと笑うあの独特の笑み。
『ってかもう行かなくていいの?いくら天下の龍ヶ峰様でもポーカーは運でしょ?』
するとそいつは眉を上げてまぁねぇとか言いながら部屋にかけてあったブレザーをはおった。
「俺に不可能はねぇの。欲しいものは絶対手に入れる。」
そう言ったあと龍ヶ峰はあたしの頭をくしゃくしゃと撫でた。
「俺が勝つと言ったら天が味方すんだよ。」
そういうとあたしを腕のなかに閉じ込めた。
※
