『とっ、とりあえず中入んなよ!!どぞ!!』
軽く会釈しながら入る。
すげぇ………なんか異国に迷い込んだみたいだな。
部屋をぐるりと見渡してると優花はてとてとと端っこに行き何かを用意しだした。
『今お茶いれるから待っててね。』
優花の茶久しぶりだな……って、とりあえず今はお茶より話だよ。
できるだけ近くにいたいと無性に思って隣にまでわざわざ行き、口を開く。
「いや、大丈夫だから。それより……」
『いや!!いれるから!!大丈夫!!!!』
「いらねぇから……」
『ほらもうすぐお湯も沸くし!!』
「いいから!!」
準備をしている両手を半ば強引につかみこっちを向かせる。
けれど、優花は体の向きこそこっちを向いているが、顔はふせて俺と目をあわせようとしなかった。
ただ、ただそれだけのことなのになんでこんなに胸が痛むんだよ。
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