思わずバッと振り返ると弥生ちゃんは頭から手を離し、優しくあたしの目を見つめ返した。


「大丈夫。あなたが隣にいてあげれば想はすぐ笑顔になりますわ。」


図星だと思われたのかもと思って慌てて否定する。



『あ、あたし龍ヶ峰の心配なんかしてないしっ!!!!』

いや……そりゃ憂鬱そうな顔してたのはちょっとは気になってるけど………って違うわよ!!


ま、まぁ…召使だからこれからも一緒にいるけどさ……

それで龍ヶ峰が笑顔になるなら…ちょっと…………嬉しい気もするのは……本当…だけど………さ…………


そのとき右のポケットに入ったあたしの携帯が二回震えた。


これはメールのバイブ。


そんなことを思い片手で弥生ちゃんに謝りながら携帯の受信BOXを開く。



そして液晶画面を見たあたしは文字通りぴたり固まった。