『あっ……おはよ!!
今日はちゃんと淹れれたと思うよ』
自慢気な優花を一瞥したあと目の前で暖かそうに湯気を出しているお茶を一口すする。
なかなかおいしかったがからかいたくのが人の性(サガ)、わざと俺は意地悪く言い放った。
「………温度。」
『え?』
「最初のお湯の温度は……?」
『急いでたから今日は92度だったけど……』
俺はカップを持っていない左手で優花のおでこにでこぴんした。
「紅茶は最低でも95度以上!!
そうしねーとちゃんと味がでねーんだよ。」
すると優花は悔しそうに俺を見返した。
軽くしたつもりだがでこぴんが痛かったのか少し涙目になっている優花に見つめられると、なぜだか鼓動がはやくなった。
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