すっと身をかがめなにかしら手がかりが無いかと探す。
しかしパソコンルームの床にはほこり1つ落ちていなかった。
舌打ちをしながら廊下に出ておもむろに右に曲がったときだった。
何かが足にコツンとぶつかる。
拾ってみると少し小さめで独特の形をしたボタンだった。
これ、どっかでみたことがある………
そう思って記憶の箱をひっくり返すと、1つの記憶にぶつかった。
「優花の背中のボタン………」
もしや、昨日強引に背中のボタンを開けたときに引っ張りすぎて糸が切れて、連れ去られるときにタイミング良く落ちたんじゃ………。
もし、そうだとしたらあいつらが右に向かったという証拠だ。
俺は右に向かって走りだした。
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