「へぇ………本当に知らないんだ……」 自分でも聴いたことが無いほど冷たく、低く、擦れた声が口から溢れだす。 今までと明らかに違う俺の様子に真里亜は驚いたように目を見開いた。 その大きな目を冷ややかに見つめ返すとそいつの唇がだんだん恐怖で震えてきた。 なんだかその姿がひどく滑稽に見えて俺は冷ややかに小さく笑った。 ※