軽く胸元の名札を見て名前を確かめる。
「白銀 真里亜さん、僕の召使知らないかな?さっきからずっといないんだ。」
すると真里亜とかいうやつは明らかに狼狽しだした。
「あ、あら知りませんわっ!!お、お手洗いでも行ってるんじゃありません?」
無理矢理落ち着かせようとしたのか声は震え、どこか上ずっていた。
目も右左ときょときょと落ち着きなく動いた。
こいつ嘘ついてるな………
人より敏感な俺の鼻がそう告げる。
まさかこいつ……優花になんかしやがったんじゃ……
そう考えると今まで味わったこともない程の怒りがだんだんと俺の理性を支配していった。
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