※ご主人様は完璧王子?※




ただお手洗いに行ってるだけかもしれないのに俺の心はなぜか異様に焦っていた。


2分がたち、5分がたった。

俺はいてもたってもいられなくなり隣の席に居た女に話し掛けた。
昨日からやたらと話し掛けてきてうざいやつだが、まぁ緊急時には気にもしてられない。



「ねぇねぇ!!ちょっといいかな?」


俺が話し掛けるだけでそいつはぱっと頬を染めて恥ずかしそうにうつむいた。



そういえば親の会社のお得意様だっけとか思いながら俺はいつも以上に猫を何重にもかぶり優しく、優しく微笑んだ。