「別に抱き付いてて良いよ?」

「へ?」

間抜けなかぐやを抱き上げる。軽いからすぐに膝の上だ。

「寒いんでしょ?」

今は現在の暦でいう十一月後半だ。これからだんだん寒さが厳しくなっていくとはいえ……細身のかぐやには寒すぎるだろう……。

「……ふえ……」

「顔赤いよ?」

「うっさぁい!」

「照れちゃってー可愛いんだからー」

「可愛くないもん!」

「はいはい」

「可愛くなんか……ないもん……」

そう言いながらかぐやは帝の胸に顔を埋める。

「かぐや……?」

「……さ……」

「さ……?」

「……寒いっ!」