「んん〜〜っ。」
橘くんが空いてる席に座って、伸びをした。
今は図書室にいる。
橘くんは最初、屋上に行こうと言ったけど私がイヤだって言った。
だって、寒いじゃん…。
「涙ちゃんもどっか座ったら?いっぱい空いてるし。」
「…うん。」
どこ座ろ…?
いっぱい空いてるから逆に迷うな…。
「……。」
私は適当に橘くんが座っていた向かえの席に座った。
「そういえば、涙ちゃん。」
「…ん?」
「……なんか、ゴメンなさい。」
「……え?」
何が?
「さっき、俺がいきなり馴れ馴れしく呼び捨てなんかで呼ぶから、涙ちゃん怒ったんじゃないの?」
…あ。
「……別に、私橘くんの事怒ってないんだけど…。」
「…良いよ。そんな事言わなくて。ゴメンね?」
…何で謝るの?
どんな呼び方でも良いって言ったのは私なのに。
勝手に教室から逃げたのは私なのに。
「……橘くん。謝らないといけないのは、私の方。…私が勝手な事ばっか言って、勝手な事して。……ゴメンなさい。」
