「何があった?」 「…。」 「………。そっか、言いたたくないよな…。今どきの高校生は教師を嫌ってるって言うし…。」 「…。」 「ゴメンな? 言いたくないなら言わなくて良いから。」 ………。 「……私、美貴に嫌われたかも………。」 「津月………。」 雨は先生の傘を強く叩いてくる。 外はもう真っ暗で街灯の灯りしかない。 まるで、この世界に私と先生しかいないみたいで。 先生だけに聞かれるなら話しても良いんだと思ったんだ。