同じ空の下で


『えっ?!それって、柚奈がいなくなっちゃうって事っ?!』


「うん、たぶん。」


『たぶんって、絶対そうじゃん。私はヤだ。』


「…美貴。」


今、お兄ちゃんはお風呂に入っている。

だから、その隙に私は美貴に電話してさっきの事を相談しているんだけど……。

『柚奈は?』


「え?」


『え。じゃないよっ!!
私が反対しても柚奈がどう考えてるかが大事じゃん。柚奈はどう思ってるの?』


「うーん。正直分かんない。」


『分かんないって……。』

「だって、お兄ちゃんが言ってた『思い出に縛られる』ってどういう意味? 私は、先生との思い出に縛られてるの?周りからはそう見えるって事だよね? 美貴にも見える?」


『……柚奈。』


「私、やっぱりまだ苦しんでるように見える?
美貴っ!!正直に言ってよっ!!」


『柚奈。』


「美貴っ!!!」


『柚奈っ!!落ち着いてっ !』


「っ?!
……ゴメン。」


私、いつの間にか興奮してた……。


『柚奈。良い? 
私はいつも柚奈の前では正直だよ?柚奈にはそう見えない?』


「ううん。」


『でしょっ。
だったら、せめて私の話ぐらいは受け止めてもらってほしいよ。』


「うん。ゴメン。」