「こよみくん、好きだったよね?」
不意に振り向いた美奈津がオレに同意を求めた。
「え? 何? 聞いてなかった。」
聞き返すと、美奈津は有名なイラストレーターの名前をあげる。
「ああ。カッコいいよね。」
「ひよりちゃんも好きなんだって。」
「え? ひよ、オレが好きだって言ったらバカにしてなかったっけ?」
人差し指でひよりの頬を軽く弾いて覗き込むと、仏頂面のひよりと目が合った。
「こよはバカでしょ?」
「ひどっ、ひよちゃん。」
むっつりとそんなことを言うひよりが可愛くて仕方ない。
「バァァカ。」
呆れた顔で冷たく言い放つひよにまた触れたくなるのを必死で我慢した。
