苺のアップリケ

たどり着いたベンチは、雨ざらしで表面がすっかり剥げ、落書きが残っていそうな気配はない。

拗ねるかな?

ひよりの反応を楽しむ僕は、微かに眉を上げた。

「残ってるかな?」

繋がる手がサッと離れて、ひよりがベンチの脇にしゃがみこむ。

スカートの裾を払う仕草を何となく目が追いかけて、露になった太ももを盗み見た。

これは条件反射。

ひよりは僕の方を見ずに、ベンチの下を覗いて目をこらす。