アップする曲はもう決まっていた。
俺達が夏にハマった歌手グループの『光』という歌だ。

俺達の歌をアップしてからは、たくさんのコメントをもらえた。
「すごい上手いですね!デビューに期待です!!」、「また歌ってください!」などの3人を喜ばせる内容のものばかりだった。

そして、歌うことが大好きになった俺達は次は何を歌おうと考え始めていた頃に、サイトからメールが届いた。
その内容は、俺達のことを気に入ってくれたあるプロデューサーが俺達に会いたいという内容だった。
もちろん俺達はokの返事をサイトに送った。

その後、何回かプロデューサーと直接話し、プロデュースする段階までの話がきていた。
プロデューサーに「歌手になってみないか?」と聞かれた拓也と真二は、すぐに「よろしくお願いします!」と答えた。
3人は返事をしない俺のほうを見ていたが、俺は
「ちょっと考えさせてください。」
と言うしかなかった。
プロデューサーはもちろんというような顔をしたあと帰り、俺達もそれぞれ家に帰った。