今はそう言う俺だが、実は中学生の頃は結構勉強ができたほうだった。
学校のテストの順位は毎回1ケタをとっていた。

俺がそこまでがんばるのには夢があったからだ。
俺の夢は『医者になること』だった。
でもその時は、将来の仕事は自分がやりたいものをやるべきか、人のために役立つ仕事をやるべきかがわからなかった。

そんな複雑な考えを抱いたまま、初めて家族に医者になりたいということ告げた時、父は満面の笑みで「がんばれ」って言ってくれた。
俺はその時、
「俺の夢は医者になることだ。この夢が叶ったとき、父さんはたくさん笑って喜んでくれる」
という確信を持ちながら医者になることを決めた。
それから中3になった俺に父さんは「お前は私立に行け」と言ってくれた。俺は父さんの期待に応えられるように、必死で勉強をがんばった。
その成果が出たのか、中3の冬頃に行きたかった私立の高校の推薦がとれた。
担任は推薦がとれたのだから、これまで通りちゃんと勉強すれば合格は確実だろうと言った。