夢〜明日への奇跡〜(実話)

『先生!息子は大丈夫なんですよね?どうしてなんですか?答えてください』

待合室に座っていると先生に泣きながらしがみついている中年くらいの女の人と高校生くらいの女の子がいた。

どうしたんだろ……。


『お母さん落ち着いて下さい。和実さんは今一生懸命闘っているんですよ…和実さんを待ってらっしゃる方達がこんなにいるんですから』

看護師さんは私達の方を見てそう言った。

あの人和実のお母さんだったんだ…
挨拶しなきゃ…

私は和実のお母さんのそばまで行った。

『初めまして…和実さんとお付き合いさせて頂いている滝沢麗奈といいます』

『あなたが麗奈さん?和実の子供を…妊娠して…本当に申し訳ない。あの子が元気な体だったら苦労かけなかったのにね…』

そう言うとお母さんは泣き崩れた。

『お母さん…私…苦労なんて思ってませんよ。和実さんのそばにいれるだけで幸せなんです…。この子を妊娠してなかったら私と和実は多分二度と会わなかったと思います。お互い誤解したまま好きなまま別れてました。でもこの子が離れないでって授かってくれたんです…これだけでも奇跡です。だから和実は必ず良くなる気がするんです…』
『麗奈さん…ありがとう和実を愛してくれて…あなたが和実に光をくれたのね感謝してるわよ…お腹触っていいかしら?』


『はい…是非触ってあげてください。皆女の子って言うんですよ』


お母さんは私のお腹をずっとさすっていた。
一緒に来ていた和実の13歳離れている妹さんも私のお腹を泣きながらずっと触っていた。


夢花…おばあちゃんよ。
パパと似てるでしょ?
あなたはみんなの夢なんだよ。