結婚式を終えてから三日後和実の容態は悪化した。
口には酸素を付け 呼び掛けに やっと返事をする程度だった。
私はずっと和実に話しかけた。


『和実〜分かる?結婚式の写真できたよ。ふふっ…祥子の顔目つぶってるよ。(笑)
みんな最高の結婚式だったって言ってたよ。ここに置いとくね。』


私は和実に見せ枕元に置いた。
写真の中の和実は死が近いとは思えないほど綺麗な顔をして笑っていた。

みんなに囲まれて本当に幸せそうだった。

私達の左手には和実が必死で探してくれた指輪がキラキラ輝いて写っていた。


『れ…な…きれい…だったよ』


譫言のように和実がつぶやいた。和実の目から大きな涙がこぼれ落ちた。


『和実…ありがとう。私は幸せだよ』


やっと呼吸している和実の手を握り軽くキスをした。


『ゆか…おいで…パ…パ…だよ…』


和実…夢花の夢見てるんだ


私は和実の涙を拭こうと立ち上がった瞬間
お腹に激痛がはしった。


痛…い…っ!!!
何この痛みわぁ…。
動けない…。


私は必死に和実のベットサイドにあるナースコールを押した。



凄い勢いで走ってくる
看護師さんの足音。


『中島さん!中島さん!しっかりして!』


看護師さんの声がだんだん遠くなる……

私はあまりの痛さに気を失った。